海外ビジネスシーンで役立つ 立食・パーティーでの飲食マナー
はじめに
海外でのビジネスにおいては、着席式の会食だけでなく、立食形式のパーティーやアペリティフの機会も少なくありません。こうした場は、ネットワーキングや情報交換の重要な機会となりますが、着席式とは異なるマナーが求められます。多忙なビジネスパーソンが、短時間で要点を把握し、自信を持って参加できるよう、立食・パーティーシーンでの飲食に関する基本的なマナーをご紹介します。
立食パーティーでの基本的な立ち振る舞い
立食パーティーでは、移動しながら多くの方と交流することが目的の一つです。飲食はそのサポートと考え、スマートに振る舞うことが大切です。
- 移動と立ち位置: 会場の中心を避けて壁際やコーナーに立つと、他の参加者の移動の妨げになりにくく、落ち着いて会話ができます。出入り口付近も避けるのが無難です。
- 手荷物とコート: クロークがあれば必ず預けましょう。小さなハンドバッグなどは邪魔にならないように注意し、床に置くのは避けましょう。両手が自由に使える状態が理想です。
- 飲食と会話: 飲食に集中しすぎるのは避け、会話を楽しみながら適度に飲食します。口に物が入っている状態で話すのはマナー違反です。
料理の取り方と食べ方
提供される料理は、片手で持って食べやすいフィンガーフードや小さなポーションのものが中心です。
- 皿の持ち方: 基本的に皿は片手で持ちます。ドリンクを持つ場合は、皿とグラスを片方の手で持つ(皿の上にグラスを置く)のが一般的ですが、不安定な場合は無理せず、テーブルなど一時的に置ける場所を探しましょう。
- 料理を取る順番: 温かい料理から先に提供されることが多いですが、無理に急ぐ必要はありません。人が密集している場所は避け、列ができている場合は並んで待ちます。
- 一度に取る量: 欲張らず、一度に数種類、少量ずつ取るのがスマートです。食べきれる量を取り、何度も取りに行く方が上品とされます。
- 食べ方: 立ちながら、または立食用テーブルを利用して食べます。大皿から自分の皿に取る際は、備え付けのトングやスプーンを使用します。直接手や自分のフォークで取るのはマナー違反です。骨や殻などが出た場合は、ナプキンに包むか、会場に用意された専用の場所や皿に置きます。
ドリンクの扱い
ドリンクはコミュニケーションを円滑にする上で重要ですが、飲み過ぎには注意が必要です。
- グラスの持ち方: ワイングラスなどは、温度が味に影響しないよう、ボウル部分ではなく脚を持つのが一般的です。
- ドリンクの注文: バーカウンターがある場合は、順番に並んで注文します。スタッフが巡回している場合は、アイコンタクトで合図するなどして声をかけます。
- 空いたグラス: 空になったグラスは、自分で片付けずに、近くにいるスタッフに渡すか、テーブルの端にまとめておきます。
- ノンアルコールドリンク: アルコールを飲まない場合でも、ソフトドリンクやミネラルウォーターなどを手にすることで、場に馴染みやすくなります。「お酒は結構です」と伝えれば問題ありません。
スマートな会話と飲食のバランス
立食パーティーはネットワーキングの場であるため、会話が中心となります。
- 飲食中の会話: 口の中を空にしてから話します。食べている最中に話しかけられた場合は、飲み込んでから返事をします。
- 移動しながらの飲食: 料理や飲み物を持ちながら大きく移動するのは避けましょう。定位置に戻るか、近くの空いたスペースで飲食を済ませてから移動するのがスムーズです。
まとめ
海外での立食・パーティーシーンにおける飲食マナーは、着席式のテーブルマナーとは少し異なりますが、共通するのは周囲への配慮とスマートな振る舞いです。多忙な中での貴重な交流の機会を最大限に活かすためにも、これらの基本的なポイントを押さえておくことは非常に役立ちます。過度に堅苦しく考える必要はありませんが、失礼のないよう、自信を持って楽しんでいただければと思います。