海外ビジネス会食でスマートに シェアする食事の基本マナー
はじめに:シェア形式の食事シーンが増えています
海外でのビジネス会食において、コース料理だけでなく、大皿の料理を参加者でシェアする形式の機会が増えています。特に、タパスやメゼといった小皿料理、あるいは中華料理の円卓などがその代表例です。このような場面でスマートに対応できることは、円滑な人間関係やビジネスの成功にも繋がります。
多忙なビジネスパーソンの皆様が、短時間で要点を掴み、自信を持って海外でのシェア形式の食事に臨めるよう、ここでは基本的なマナーのポイントを解説します。
シェア形式の食事における一般的なマナー
大皿から料理を取り分ける際には、いくつかの共通するマナーがあります。
- サービングカトラリーの使用: 大皿には必ずサービングカトラリー(トング、大きなスプーンとフォークなど)が添えられています。自分の箸やフォークで直接料理を取る「直箸」は、一般的に好ましくないとされています。必ずサービングカトラリーを使用し、取り終わったら大皿に戻してください。
- 取る量への配慮: 自分の皿に一度に大量に取るのではなく、まずは適量を取るのが一般的です。特に多人数での会食の場合、他の参加者も楽しめるよう配慮が求められます。
- 自分の皿への取り分け: 取り分けた料理は、まず自分の皿に置きます。自分の皿の上で料理を崩したり、混ぜたりするのは避け、美しく保つように心がけましょう。
- 大皿の回し方: 特に中華料理の円卓など、回転するテーブルでは、時計回りまたは反時計回りに順番に回すのが一般的です。急いで回したり、自分だけが続けて取るために独占したりすることは避けてください。誰かが取り分けている間は、回転を止めます。
- 目上の方やゲストへの配慮: 食事の開始時や、新しい料理が運ばれてきた際には、目上の方やゲストの方から先に料理を取るよう促すか、ご自身が率先して取り分けるなどの配慮が喜ばれることがあります。
シチュエーション別のポイント
シェア形式の食事は文化によって特徴が異なります。ここでは代表的な例を挙げます。
タパスや小皿料理
スペインのタパスや中東のメゼなど、様々な小皿料理を囲むスタイルです。
- 複数の料理から少しずつ様々な種類を楽しむのが醍醐味です。
- 自分のペースで、食べたいものを適宜取ります。一度に全ての皿から取る必要はありません。
- ただし、一度取ったものを大皿に戻すのは絶対に避けましょう。
中華料理
円卓を囲んで大皿料理をシェアするのが典型的です。
- 温かい料理から順番に提供され、冷めないうちに食べ始めることが推奨されます。
- 回転テーブルを適切に使用し、全員が料理にアクセスできるようにします。
- 頻繁に立ち上がって取りに行くのは避け、座ったまま回転テーブルを使って対応するのがスマートです。
- 骨や殻など、食べられない部分は自分の皿の隅や、提供された場合は取り皿の隣に置くための小皿にまとめます。
その他、気をつけたい点
- 食事のペース: 周囲と完全に合わせる必要はありませんが、一人だけ極端に速く食べ終えたり、遅すぎたりしないよう、全体の流れを意識すると良いでしょう。
- 食べ残し: 大皿からの取り分け量を調整することで、食べ残しを減らす努力ができます。特に、国や文化によっては食べ残しに対する考え方が異なりますので、まずは少量から試すのが無難です。
- アレルギーや苦手食材: もしアレルギーやどうしても食べられない食材がある場合は、事前に伝えることが重要です。会食中にそのような料理が出た場合でも、無理に食べようとせず、サービスの方に伝えるか、静かに避けるのが一般的です。無理強いしたり、露骨に嫌な顔をしたりするのは避けましょう。
まとめ
海外でのビジネス会食におけるシェア形式の食事は、リラックスした雰囲気の中で親睦を深める良い機会となります。基本的なマナーを知り、周囲への配慮を忘れずに対応することで、自信を持って臨むことができます。
スマートな振る舞いは、文化的な理解と敬意を示すことにも繋がり、より良好なビジネス関係構築の一助となるはずです。