海外ビジネス会食で役立つ 食事が終わった後のテーブルマナーと退出時の振る舞い
食事が終わった後も気を抜かない、ビジネス会食のスマートな振る舞い
海外でのビジネス会食は、商談や関係構築の重要な機会です。料理を味わい、会話を弾ませるだけでなく、食事が終わった後の振る舞いも、相手に与える印象を左右します。多忙なビジネスパーソンの皆様が、スマートに会食を締めくくり、次の行動へスムーズに移るための食後マナーと退出時のポイントをご紹介します。
食事が終わったことを示すサイン(欧米スタイル)
コース料理やアラカルトを問わず、食事が終わったことを給仕の方に示すジェスチャーがあります。特に欧米式のテーブルマナーでは、ナイフとフォークの置き方がそのサインとなります。
- 食事中のサイン: ナイフとフォークを「ハ」の字に置きます。これは「食事中です、まだ下げないでください」という意味になります。
- 食事が終わったサイン:
- 欧米式: ナイフとフォークを、お皿の右下、または中央に揃えて縦に並べます。刃は自分に向け、フォークの腹は上に向けます。これは「食事が終わりました、下げてください」という意味になります。
- イギリス式: ナイフとフォークを、お皿の中央で揃えて横に並べます。フォークの腹は上に向けます。
文化圏やレストランの格によって厳格さは異なりますが、特にフォーマルな場では覚えておくとスマートです。アジア圏などでは、明確なサインを示さないことも多いですが、食事のペースを終えたらカトラリーを置く、という一般的な流れは共通します。
食後のテーブルでの振る舞い
食後のテーブルでの過ごし方にも、いくつか注意点があります。
- ナプキン: 食事が終わったら、ナプキンは軽くたたんで(きれいに折り直す必要はありません)、テーブルの左側に置きます。椅子の上や、くしゃくしゃにしたままお皿の上に置くのは避けましょう。
- 席での待機: 食事が終わっても、すぐに席を立つのはマナー違反とされる場合があります。特にホストがいる場合は、ホストが立つまで待つのが一般的です。会話を続けながら、落ち着いて過ごしましょう。
- 食後の飲み物: コーヒーや紅茶が提供される場合は、それを楽しみながら会話を続けることが多いです。カップ&ソーサーのマナー(持ち方、スプーンの置き方など)にも配慮しましょう。
席を立つタイミングとスマートな動作
会食が一段落し、席を立つタイミングは重要です。
- ホストに合わせる: 最も安全で一般的なのは、ホスト(誘ってくれた側)が席を立つタイミングに合わせることです。
- やむを得ず中座する場合: 食事中にやむを得ず席を立つ(例:トイレに行く)場合は、同席者に軽く会釈をするか、「失礼いたします」など短い言葉を添えてから静かに立ちます。ナプキンは椅子の上に軽くたたんで置きます。テーブルの上に置くと「食事が終わりました」のサインになるため、注意が必要です。戻ってきたら静かに着席します。
会計から退出までの流れ
食事が終わり、会話が一段落したら、会計を済ませて退出となります。ビジネス会食の場合、会計は通常、ホストが行います。
- 会計: ホストが会計のためにウェイターを呼んだり、席を立ったりするのに合わせて、落ち着いて待機します。ゲスト側から積極的に会計に関わろうとする必要はありません。ホストが席を外している間に、同席者と軽く談笑していても構いません。
- 挨拶: レストランを出る前に、ホストや同席者に対して、食事へのお礼を丁寧に伝えましょう。「本日はありがとうございました。とても楽しい時間を過ごすことができました。」といった簡潔で心からの言葉が良いでしょう。
- コートなどの身支度: クロークを利用した場合は、スムーズに自分のものを受け取れるよう準備しておきましょう。席でコートを着る場合は、周りの迷惑にならないようスマートに行います。
- 退出: レストランを出る際も、同行者と適度なペースを合わせて、騒がしくせず静かに退出します。
まとめ
海外でのビジネス会食における食後のテーブルマナーや退出時の振る舞いは、食事そのもののマナーと同様に、同席者に良い印象を与えるために重要です。食事が終わったサインの理解、テーブルでの落ち着いた過ごし方、そしてホストに合わせたスマートな立ち居振る舞いは、皆様の海外ビジネスをより円滑に進める一助となるはずです。これらの要点を押さえ、自信を持って海外でのビジネス会食に臨んでください。