海外ビジネス会食で役立つ 水・ソフトドリンクのマナー
はじめに
海外でのビジネス会食では、ワインやカクテルといったアルコールに関するマナーが注目されがちですが、水やソフトドリンクといったノンアルコール飲料の扱いも、品格を示す上で重要な要素です。特にアルコールを召し上がらない場合や、食事の合間にリフレッシュしたい場面など、水やソフトドリンクは常にテーブルにあります。多忙なビジネスパーソンの皆様が、スマートに対応できるよう、基本的なマナーの要点をご紹介します。
水の基本マナー
多くのレストランでは、着席するとまず水が提供されます。国や地域、店のスタイルによって、水道水、ボトル入りのミネラルウォーター(ガス入りまたはガスなし)、あるいは両方が提供される場合があります。
- 注文時の選択: ミネラルウォーターを勧められた場合、ガス入り(Sparkling/Gaseuse)かガスなし(Still/Plate)かを聞かれることが一般的です。好みや食事内容に合わせて選択します。特に指定がない場合は「Still water, please」と伝えるとスムーズです。ビジネスシーンでは、相手に先に選択を促す、あるいはホストであればゲストの好みを尋ねる配慮も大切です。
- 注ぎ方・注がれ方:
- 基本的にはウェイターが注いでくれます。グラスが空になりそうでも、自分でボトルを持って注ぐのは避けるのが一般的です。ウェイターに気づいてもらえない場合は、アイコンタクトで合図を送るか、控えめに声をかけます。
- もし同席者がグラスを空にしていることに気づいたら、ウェイターを呼ぶなどして補充を促す配慮ができるとスマートです。
- 自分で注ぐ機会があった場合(カジュアルな場や大皿形式など)、ボトルのラベルを上にして持つ、グラスの縁にボトルをぶつけない、注ぎすぎないといった点に注意します。
- 飲むタイミング: 水は基本的にいつでも飲んで構いません。食事の合間や、口の中をリフレッシュしたい時に自由にグラスに手を伸ばして問題ありません。
- グラスの扱い: グラスを持つ際は、ステム(脚)を持つのが一般的です。これにより、水温が手の温度で上がりにくく、グラスに指紋がつきにくくなります。
ソフトドリンクの基本マナー
コーラやジュース、炭酸水などのソフトドリンクも、ビジネス会食で選択される機会があります。
- 注文: メニューに載っているソフトドリンクから選びます。分からない場合はウェイターにおすすめを尋ねることも可能です。
- 提供: ソフトドリンクは、ボトルや缶で提供され、グラスに注がれることが多いです。氷が必要か聞かれる場合もあります。
- 飲むタイミング: 水と同様、いつでも自由に飲んで問題ありません。ただし、炭酸飲料の場合、食事中にゲップをしてしまわないよう注意が必要です。
- グラスとボトル: ソフトドリンクも水と同様に、グラスで提供されたものを静かに飲みます。ボトルや缶から直接飲むのは、非常にカジュアルな場を除き、避けるのが無難です。
知っておきたい補足事項
- 氷の有無: 国によっては、飲み物に氷を入れる習慣があまりない場合や、衛生面から避ける人がいる場合があります。特に冷たい飲み物が苦手な場合は、注文時に「No ice, please」(氷なしでお願いします)と伝えることができます。
- レモンやライム: 水やソフトドリンクにレモンやライムのスライスが添えられることがあります。これは風味付けのためであり、グラスに入れても、そのままにしても構いません。
- おかわり: 水は基本的に追加料金なしで提供されることが多いですが、ソフトドリンクは有料での提供が一般的です。おかわりが必要な場合は、ウェイターに改めて注文します。
まとめ
海外でのビジネス会食における水やソフトドリンクのマナーは、アルコールほど複雑ではありませんが、基本的な点を押さえておくことで、より洗練された印象を与えることができます。注文時のスムーズな対応、グラスの扱い方、飲むタイミングなど、これらの小さな配慮が、ビジネスパートナーや同僚との信頼関係を築く一助となります。多忙な日々の中でも、これらの要点を頭に入れておけば、海外の食事の場に安心して臨めるでしょう。